外宇宙通信コミュニケーション研究部 地下帝国編 第十一話 プリズンキャッスル

---???side--- JSO、JapanSecretOperatives(日本特秘行動機構)。 それが私の所属する組織。 数多く存在しはる、犯罪などを片っ端っから潰していく、 そんな組織。 と言ってしまえば正義の味方に聞こえるかもわからんよ。 依頼料によっちゃ、法外なことをしでかしてる会社から、企業スパイも受け要ることもある。 一言で片付けてしまえば、日本のスパイや。 「こ・・・こちら・・・エレベーター監視部ッ・・・」 私は、倒れた兵士の首筋を狙って薙刀を突いた。 「連絡せーへんのーん。」 兵士が気絶したのを見て、私は周りをみた。 他の敵が来ても困る。 「おい!!おまえ!!」 「あっちゃー・・・早速みつかったやん・・・」 目の前から兵士が三人走ってくるのを見つけて、あえてそこへ突っ込んでいった。 「く、来るな!!撃つぞ!!」 銃を構えて・・・ってもう撃ってるし!! 「あぶ、危ないなぁーもう!!」 私は銃弾・・・と呼ぶには程遠い、それを避けた。 発光していたことから、それはビーム系の銃だと思われる。 「なっ、避けた!?」 「構わん!!撃て、撃てー!!」 三人は同時に連射してきよった。 が。 「おい、どこ行った?」 「消えたぞ・・・?」 「その辺に隠れてるだけだ。探せ」 ・・・ 兵士は私に近づいてくる。 私がここにいるとも知らず・・・ もっと・・・もう少し近くに・・・ 「おい、これなんだ?布が被さっ・・・」 私は“隠れ蓑術”を解除、薙刀の柄でライフルを弾いて、回転させ、刃の方で兵士をなぎ払った。 「くそっ!?」 兵士二人が、ライフルを構えようとする。 「遅いッ!!」 「ぐはっ!!」 私は一気に二人の兵士を倒した。 そしてその場を離れようとする。 が、どこへ行ったらいいの? 「カーン?これから何をすればいいの?」 『忘れた? プリズンキャッスルへ行くのよ。 奴隷解放作戦、それが今回の指令内容よ。』 「で、道は?」 『そのまま真っ直ぐ行けばいいんだと思う。』 「OK。」 私は道なりに、真っ直ぐ進んだ。 と、ボロイ住宅郡が見えてきた。 集落?村? 「なんだなんだ?」 どの家も扉が外れていたり、壁が不完全で家の中まで見えたりしていた。 中の様子を窺える所は・・・ 人がいたが、服もボロで、食事もいいものを食べてないと思われる・・・ 『そこが・・・プリズンキャッスルの城下町・・・ 地上からつれてこられた奴隷達がそこに住んでる。』 「プリズン・・・キャッスル・・・牢城ね・・・ なんともいけすかね。」 しばらく歩いていると、大きな城が見えてきた。 白い建造物、所々ギザギザ、窓の数が多数、頂上の部屋はとんがっている。 など、色々と形容できてしまう。 「見つけたよ。カーン・・・でも、兵士がいっぱい出てきたみたいだよ。」 前方の城門が開き、さっきと同じ兵士が武器を持って出てきた。 私は城壁に沿って逃げ出した。 「こんな数、相手にしてられんわボケ!!」 『あらあら、怒っちゃった。』 走っていると、後方からビームが飛んできた。 めっちゃ発砲されとるやん・・・ 「んなぁーっ、ふざけるのも大概にせぇよ!!」 私は、腰から出した器具・・・鍵爪状の錘をつけたロープを、城壁の上に投げた。 カツッと音がなって、引っかかったのを確信。 「ヒットや!!」 叫んで、ジャンプする。 慣性の法則にしたがって私は振り上げられる。 そして 「うわぁぁぁあ!!」 その反動で戻ってきた私を見て、兵士達は仰け反る。 そのまま錘を中心に、弧を描き、城壁の上に登ることに成功。 「ひゃっほー・・・」 城壁の上から見たら、城門の内側は、なんとも荒れていた。 ロープを握ったまま、下に下りる。 錘を外すようにして、ロープを下ろして、ポケットにしまった。 「カーン、プリズンキャッスルに潜入した。」 『おみごと』 私はお城の入り口から、絨毯が引かれた廊下を走っていった。 『ここは、奴隷を管理する事務所としても使われてる。 でも本業は、地下帝国を支配する王様の住むお城とも言われてる。 その王様を叩けば、奴隷を救い出すことができるかもしれない・・・』 「で、王様は?」 『最上階にいるみたい。』 舌打ちして、近くの階段を上る。 ここにはエレベーターってもんがないのか!! お城の中では、兵士などはまだ見ていない。 兵士の武装をガメって変装できれば楽だと思ったが・・・ と、思っていると運良く兵士が出てきた!! 私にはまだ気付いていないで、冑を外してタバコを吸っている・・・ 油断をしているそれと思っていたが。 私は、その顔を見て驚いた。 「ん?侵入者だ!!侵にっ・・・」 そいつを気絶させた。 「なんだって私はゴキブリの着てたものを・・・」 『長らく人間に虐げられてきたゴキブリのための国、 それがこの地下帝国。 人と同じ大きさまで成長したのは・・・天変地異?』 「それは・・・いいけどさ。 人間の兵士はいないの? こいつの武装をもらうだなんて・・・」 『大丈夫よ、きっと。 地下帝国の兵士たちは結構几帳面なのが多いらしいし。』 「存在そのものが汚いんだよ!!」 『それは差別。 人類と他生物の共存なんて夢のような話でしょ? いい話じゃない。』 「でも・・・ゴキブリは・・・」 私は、しぶしぶ兵士の武装を脱がせ、そしてそれを着る。 もちろん冑も。 「くっ・・・なんか柔道部の匂いがする・・・」 『我慢我慢。』 とりあえずこれで自由に動き回れる。 「おい」 早速声をかけられた。 「侵入者は?」 「いや、何かの間違いみたいだ。」 「そうか。」 そしてその兵士は去っていく。 ほっと一安心・・・したのも一瞬だけだった。 「おまえ新入りか? なんか声が女みたいだな。」 ちょっと待てよ几帳面すぎやしないか? 「あー、はい、先月から女性兵士も採用してて、それで志願しました」 「どこの部隊だ?」 「えっと・・・」 私は戸惑った。 薙刀に触れて準備はできた。 『クルッチョプワ・・・』 ・・・ 「クルッチョプワの部隊です・・・」 兵士は驚いたように振り返った。 そりゃそうか、ハッタリなんか・・・ 「マジ!?あのクルッチョプワが新入りを取るなんて初めて聞くぞ。 さてはおまえ、エリートだな。」 兵士は笑っていた。 どうやら本当にいるらしい。 「まぁがんばれよ。新入り。」 「はい。」 兵士が去っていった。 それを見て肩を撫で下ろした。 「カーン、クルッチョプワってだれ?」 『プリズンキャッスル軍の第一番隊の隊長・・・ つまり軍団長ね。』 なんでそんな・・・ 『ごめんごめん、今、五秒で調べたもんだから、 いい奴が見当たらなくてさ。咄嗟に出てきた奴を教えたら。』 「彼だった?」 『そう、クルッチョプワだった。』 危ない橋を渡りすぎだ私達は。 私はそれから、カーンの指示にしたがい、お城の大分、上のほうまで来ていた。 エレベーターがないもんだから、息があがるあがる。 「さっき気付いたけど、上に上がればあがるほど、 兵士や、お偉いさん方が増えてるような気がする・・・」 『それなら気をつけてね。』 また一階あがって、外が見える広間に出た。 天井が半分しかなく、空、というか、上空が見える。 もちろん地下だから空なんて言葉的には間違ってはいるのだが。 そこで、一人の兵士と出くわした。 冑を外した姿で、ゴキブリの顔があらわに出ている。 「おや?こんなところに珍しいな。」 彼は言った。 「ええ、すこし空気を吸いに。久々に階段を使ったもんで、少々息が切れました。」 「そうか。 でもなんで?エレベーターを使わないんだ?」 え・・・? エレベーターあったのかよ・・・ でも見当たらなかった・・・ここで知らないと言っては不味いな。 「あー、どうやら故障中みたいで・・・」 彼は冑を被り、置いてあった槍を手に取った。 と、思ったら、私目掛けてそれを投げた。 「何をするんですか?」 「おめぇここの兵士じゃねぇな・・・ この城には、エレベーターは一基もついてねぇ。」 誘導尋問かよ!! しょうがない。 諦めて戦うしかないのか。 私は腰に装備されていたライフルを手に取って、引き金を引いた。 ビームが即座に発射されるが、彼はそれをいともかんたんに避けてしまった。 「おまえは危険だな。兵士を呼びにいかなくては・・・」 彼はそう言って、手すりから飛んで、お城の外壁につかまった。 外壁は岩を組んでつくられていたので、溝があったのだ。 「くっ・・・」 ここで逃がすのはやばい。 『追ったらダメだよ』 「なんで!?」 『罠かもしれないじゃん。 そもそもロッククライミングなんてできるの?』 「できない・・・できないから、階段使う!!」 私はすぐに来たほうへ戻り、階段を上る。 早足に、二段飛ばしで!! その上の階について、兵士をみかけた。 「おい、侵入者はみつかったか?」 私がその侵入者なんだけどね・・・ 「いや、私もさっき初めて聞いた話だからよくわからん」 「そうか。」 兵士たちは他の部屋に散らばっていった。 私は廊下をずんずん進んでいく。 階段を上り、また上り。 そして、連絡通路のような場所にでた。 両側は、ガラスで、天井もガラス。 外を見ると、下には川があった。 この川をまたいでお城が建っていたのだ。 これが入り口の裏側だったので気付かなかった。 連絡通路には誰もいない。 そして川を隔てて向こう側のお城に近づいたとき。 私は異変に気付いた。 「あれ?なんで誰も追いかけてこないんだ?」 『さっきの人がリョーコのことを話していればもう来てるはずよね。』 私は振り返って、来たほうを見てみたが誰もいない。 が。 連絡通路とお城をつなぐ廊下に、シャッターが下りて出入りができなくなった。 「しまった!!」 再び振り返って反対側を見たが、同じくシャッターが下りていた。 「とじこめられた!?」 『罠!?』 これは非常に不味い状況だ。 と思っていると――― ガシャーン――― ・・・ さっき出合った兵士がガラスを割って通路に飛び込んできた。 そして私と対峙し、仁王立ちをしていた。 「お久しぶり。」 「兵士を呼びに行くなんてのはおまえを罠にかけるための・・・伏線さ。」 「今、気付いたけどね。」 私は全ての武装を外した。 これでいつもどおり、軽い動きができる。 「俺の名前はクルッチョプワ。 この城の軍団長だ。」 マジ。 噂の人と出会ってしまったぜ。 さっき会った時はただの一兵士にすぎないと思ってたのに。 「私はJSOのエージェント。 涼子・・・杜若涼子!!」 私は三節薙刀を振って、一本につなげた。 戻る