外宇宙通信コミュニケーション研究部 地下帝国編 後日談

「おっはよー」 朝。 いつもの部室で待っていると、シホがやってくる。 どうして朝練なんて思いついちまうんだ。 「おはよう。」 とりあえず俺も挨拶した。 というか。 この部屋には、俺とシホしかいない。 他の奴等は・・・サボり・・・? 「で、結局どうなったんだ?」 「何が?」 「小説を書くって言ってた話。」 「ああ、三日坊主の海坊主。」 あれから、俺たちは地下帝国を脱出したわけだが、その経験を元に、シホは小説を書いて賞を取るぞって、 意気込んでいたんだが。 その賞を取れたんなら俺も何かやってみようかなと考えたわけだが。 いらぬ期待だったな。 そういえば、あのレースのあと。 どうなったかと言えば。 これがまた思い出すのも少し笑いもので。 レースが終わり、さわちゃんは優勝トロフィーをもらって、表彰台の最上段に上った。 そして月桂冠を被っていたな。 ずんちゃんもその後ろで、綺麗なお姉さんから同じく、月桂冠をもらって、頭に乗せていた。 二位の台に、フジワラさん、三位の台に曲夜さん。 そして、最後の結果を見て。 死亡者はハユー、アカントン、クルッチョプワの三人。 棄権者はローリィの一人。 そして、ノーレル王子様は四位で、それでも満足していた風な感じで。 ガブバモというローチ族の人も、なんだかんだ言って、表彰台の三人を祝っていた。 まぁ、その後だ。 表彰台から降りた三人であったが、ノーレルが何やら、フジワラと曲夜に話していた。 そしてその次の瞬間だ。 そのときのノーレルの表情が笑えた。 「JSOだ!!ノーレル・ローチ、貴様を逮捕する!!」 ノーレルは、きょとん、となって、そのまま動かなくなった。 「ちょっと待てー!!なんだ俺がなんか悪いことしたかー!! くそっ、ローチ族ってだけの理由なら、あそこにもガブバモって奴がいるぞ!!」 ノーレルは、ガブバモを指して言った。 JSOの人たちは、そこで止まって、ガブバモを睨んだ。 そして、ガブバモに聞いた。 「おまえは、ローチ族の王族か?」 「いえ、違います。」 ただのヒッキーだったということも幸いして、彼は検挙されずにすんだわけだ。 ノーレルはもがきながら、その場から退場した。 そして、人質を取られていたフジワラさんと、曲夜さんだったが、事情はわからんが、 どうにも、JSOの人が助け出していたらしい。 色々と抜かりがないな。 とまぁ、そんな感じだ。 地下帝国であった出来事はそこで終わり・・・だと思ったのだが、最後の最後で、シホがやってくれた。 もう何も残っていない、キング・ローチの部屋に戻って、キーボードを眺めていた。 俺が、何をしてるんだ?と聞くと、急に動きだし、そしてキーボードを叩き始めた。 モニターに、何か地図のようなものが表示された。 そのときの英雄的なシホの活躍には・・・正直、惚れた。 キーボードの横にセットされていたマイクに向かって。 演説をしたのだった。 「えー、あーあー、マイクテスト、マイクテスト。 この度、キング・ローチとノーレル・ローチは、逮捕されました。 奴隷として連れて来られた人間達、今こそ立ち上がるときです。 そして、プリズンキャッスルを落城しましょう!! あ、でも勘違いしないこと。 プリズンキャッスル軍以外のローチ族を殺さないように。 彼等もあんたたちの味方でもあるんだから。 それから、王族と軍以外のローチ族。 少しでもこの地下帝国に不満を感じているなら。 自分達の同胞が間違っていると思ったなら。 貴方達も武器を取って戦いなさい。 奴隷として連れて来られた人間達と共に!!」 あのときのシホは、カッコよかった。 それから、市民(人間もローチ族も含めて)が、一斉蜂起し、プリズンキャッスルに攻め入ってきた。 政府高官で来ていた人間も、数人殺されたが、地上にはなんの影響も出ていない。 まぁそれからは、俺たちも政府高官と間違われたりしないよう、見つからないように、 プリズンキャッスルから脱出するのに苦労したわけだが。 とまぁそれで、シホが演説した後、俺達、外宇宙通信コミュニケーション研究部は、地上に戻るため、エレベーターに乗ろうとした。 ジャンにお別れを言って、そして向き直った時だった。 突然、ホィールスターがつっこんできたのだ。 そこから、曲夜と女の子が降りてきて、彼は、「この子を頼む」だのなんだの言って、 その女の子、五弥(うーやん)を俺たちに任せた。 曲夜も地上に戻らないか、と、誘ってみたが、 「俺は、こっちの生活も面白いかもなー、とか、思い始めてる。」 そして曲夜は、地下帝国に残った。 今度こそ、ジャンと曲夜にお別れを言って、エレベーターに乗って地上に戻った、というわけだ。 それからは、エレベーターを降りた先が、埼玉のビルの中だったので、そこから東京に戻るまでが大変だったのだが。 こうして。 俺たちの長かった冬休みは終わった。 いや、短かった・・・かもな。 そしてその後ってのもまだ続きがあって・・・それは 「おはようございます」 「おっはよー」 新入部員。 「あれ?皆さん来てないんですね。」 「おおっと、ウー、早速君は間違えてる」 と、シホ。 「この部活では、敬語使わないって約束、言わなかったっけ?」 「いえ、でも・・・」 「だって、私はタメでしょ?それに、そこにいるへーじょーは、一年坊。」 坊ってつけるな。 「敬語使わなくても普通なんだけどな。」 「そっか。それなら。うん。わかった。」 五弥さんは、嬉しそうに笑って、言った。 「あだ名はウーでいいよね?」 「え?でも、それじゃあそのまんまだし・・・」 「それじゃあ、ロンチャー」 ちょ・・・シホ、それは当て付けって奴だぞ!! 「あ、じゃあそれで。」 しかも五弥さんは、それで納得してるし!! 五とロンチャーで、烏龍茶だぞ!! 「おはよーう」 と、入ってきたのはさわちゃん、あん王女、ずんちゃん、かえでっち。 さわちゃんは、俺の前に出て、そして俺の肩に手を回した。 「おまえよー、二人っきりにさせといたのに、なんで何もしないんだよ。」 「なんのことだ」 「部長と元部長、おまえらが本当はそういう関係ってのは、みんな望んでんだよ。」 「なんでだよ。」 「俺は、かえでっちと。ずんちゃんは、あん王女と。」 「待て。」 いつからそんな話進んでた? かえでっちは俺も狙ってたんだぞ。 「いいかー、残ったおまえらが、くっつかなくてどうする。」 「何を言うか」 俺はシホを見た。 ナリは抜群だ。 冬休み中にあったときも、中々ファッションセンスもよかったし、見た目だけで言うなら、 こういう彼女がいるってのも悪くないかなーとわ思ったものの。 俺があいつとなんかくっつけるわけがない。 磁石のNN、もしくはSSだ。 シホは、俺が見ていることに気が付いた。 「なによ」 「別に。」 さわちゃんは、俺の背中をドンと突き出した。 行ってこい、そして散ってこい、だそうだ。 「シホ、俺は今までおまえの何を見てきたわけでもない。」 「そうね」 「だけどな・・・」 言おうとしたがこの態度。 シホじゃなけりゃ殴ってたぞ。 「だけどな、おまえも俺のことを完璧に見てきたわけでもないよな?」 「そうね」 「俺が何を言ってるのかわかる?」 「わかんない。」 「・・・えっと」 やっぱり難しすぎたか。 もういいや、単刀直入に言おう。 「シホ、おまえ彼氏とかいるのか?」 「いないけど?」 「あの、俺なんて・・・」 どうかな、と言おうとした時、気付いた。 部員全員が、俺とシホを見ていた。 丁度、俺とシホが教壇に乗っていて、他は椅子に座ってポップコーンを食べている、そんな構図。 ここは映画館じゃねぇ!! そして俺たちはハリウッド男優&女優じゃねぇ!! 俺は恥ずかしくなって顔を赤らめた。 「へーじょー、顔が赤い。」 「え?」 やばい見られた!! くそっ!!こうなったら!! 「あ、逃げた!!」 俺が部室のドアから逃げ出していったのを見て、さわちゃんが最初に立ち上がり、追ってきた。 「冗談じゃない!!今に見てろ!!こんな部活潰してやるー!!」 俺は言いながら逃げていった。 戻る