外宇宙通信コミュニケーション研究部 第七話 つぁーいむくらぁぃすぃす

大変なことになった。 なんだかまだ事態が飲み込めない。 一時間前、銃を持った奴等に宿舎を包囲されて、 三十分ぐらい前、そいつらが宿舎に入り込んできた。 そして二十九分前、いきなりシホに殴られた! 「なんでメロンパンが無いのよー!!」 と思いっきり寝ぼけ気味で。 二十五分ぐらい前、みんなの部屋が占拠されたが、 澤井、ずんき、あん王女、カールはなんとか逃げてボクの部屋に逃げてきた。 なんでボクは襲われなかったんだ・・・? 「よし、みんないるな。」 カールが言った。 ボクは人数を確認した。 そしてシホを見た。 「なによ。」 「部長、部員が一人消えました」 かえでっちがいなかった。 そのとき、宿舎の外から、かえでっちの泣き叫ぶ声が聞こえた。 「たす・・・たすけてぇー! お願い、帰して、返すから帰して!」 言ってる意味が分からない。 とにかくかえでっちは奴等に捕まってしまった。 「大変じゃん!!」 澤井が言った。 するとカールが「ついにこれを使う時が来た」と言って、 筒状の物を出した。 人数分ある。 その筒は、剣道の竹刀の小手ぐらいの大きさで、 先端の周りが角ばっていて、スイッチのようなものがついていた。 「カールさんこれ、アレじゃないですよね? あの、ブォンって奴・・・」 「え!?あ、違う違う、 これね、・・・ビーム剣。」 案の定。 「ビーム剣!?思いっきりパクリじゃないっすかぁ!!」 澤井が愕然として言った。 「しかもビーム剣という横文字と漢字の組み合わせが・・・ ガン道に似ている・・・」 「あん王女、淡々と喋ってるけど内容からしてキャラがつかみにくくなってきたぞ。」 そんなこんな話しているうちに、 かえでっちが宇宙船のようなものに乗せられてしまった。 それを見たカールが、今度は銃形の物を配り、 「あそこまで言ったら、ビーム剣じゃ届かないだろ? これ、えーっと・・・ビーム銃」 ビーム銃・・・残念ながらそれは地球にもある。ボクが聞いた話が嘘でなければ。 ボクたちはビーム銃とビーム剣を持って、宿舎の外に出た。 かえでっちが乗せられた宇宙船はすぐそこにある。 宇宙船が発進してしまった。 かえでっちが窓から泣き喚いている。 可愛そうに・・・トラウマになるな・・・ 「お、バイク発見・・・ってこれバイク?」 「なんでもいい、乗れるものなら乗っちまおう。」 丁度人数分のバイク(?)があったのでそれに乗って宇宙船を追いかけた。 奴等は後ろの荷台用の扉を開き、ビーム銃を連射してきた。 こちらも応戦する。 ってなんでボクばっかり集中攻撃してくるんだぁーっ!! 「そこの車!!止まりなさい!!」 危機一髪と思ったとき、頭上から、 戦闘機型の宇宙船がヘリコプターのように下降しながら スピーカーから音を出していた。 それは女子高生誘拐犯人の乗る宇宙船に対しての警告か? それともボクらへの警告か? 「警告を無視する場合、 俺の自慢の武器、ザー●●マシンガンで蜂の巣にする!!」 なんか、地球用語ではヤバイ言葉を言ったような気がする。 こっちの世界ではきっと武器名か何かだろう。 うん、そうだよきっと。 「警告を・・・無視したな!!」 戦闘機の底に当たる場所から、ガトリングが出てきた。 狙いを宇宙船に定めた。 ボクたちはやっぱり無実だったんだ。 あ、待て。 今蜂の巣にしたらかえでっちはどうなるんだ!? 「待てー!!待ってくれー!!人質がまだ乗ってる!!」 ボクは必死で叫んだ。 「人質?安心しろ。この弾丸は無害である。 男には。」 やっぱり。 でもかえでっちは女性なのでなんとか手はないかと考えるボク。 「女だ・・・女性が乗っている。人質で。」 どっから取り出したんだテレフォーネ、ずんき。 なんか無線の小型マイクみたいな物で話してるずんき。 音がバイクの中から聞こえてくることから、 スピーカーが搭載されているというハイテク差を推測できるぞ。 さすが宇宙、だだっぴろい。 「・・・困った。」 その声の主は戦闘機の人だろう。 「私達に任せなさーいよー!!」 シホがでしゃばってる。 危ない、猛スピードでかえでっちを誘拐した宇宙船に近づいている。 「わかった、そちらに任せる。 そちらが何者なのか、全くわからない。 味方か敵かもな。 しかしこうも言う。 敵の敵は味方。 今だけ援護する。」 カールはその声を聞いてニヤついてる。 そんなに嬉しいことだったのだろうか。 シホはビーム銃を抜いた。 まさか、やっちまうのか!? バイクで走りながらの銃撃戦を!? シホを見てみんなもビーム銃を抜いた!! 大変だ、省き者は嫌だ。 ということでボクも抜く。 宇宙船の後部の扉が開く。 大き目のビーム銃を持った黄色い兵士が現れた!! 「くらえ!!」 太郎がそいつに何発か打ち込んだ。 するとどこからともなく、シャキーン、シャキーンという音が。 「やった、マシンガンの弾数増えた!!」 やっぱり・・・ ってことは赤兵士は確実に命中弾を放ってくるな、きっと。 ああ、こんなことなら練習しとけばよかった。 えっと、隠れるには・・・このバイクの防風ガラス、防弾ガラスかな・・・? 「来たぞ!!怜治!!気をつけろ!!」 太郎が言った。 「何が来るって!?」 「後ろ!!敵のバイク部隊だ!!」 気付いた時にはもう遅かった。 ボクのすぐ右側に青い服を着たバイクの敵が、こちらに向けて連続して撃ってきた。 ボクはもう死んだと思った・・・ その何発かの銃弾は・・・白く、そして薄黄色い弾・・・ ・・・いける!! 「・・・命中弾以外は・・・当たらない!!」 ボクは青い兵士の頭にビームを放っていた。 そしてそいつは、後ろに流されていくように、吹っ飛んでいった。 ボクはバイクのスピードを上げた。 「へーじょ!?」 「おい、怜治!?」 「鳥羽・・・?」 みんなが同時に驚いた。 だけど一番驚いていたのはボクだ。 ボクはバイクごと、高々とジャンプして、宇宙船の真上に乗っかった。 とっさにボクはコックピットの上に降りた。 ガラスをビーム銃で撃って粉々にする。 ドライバー兵士が驚き、ボクを見る。 集中。 目の前に全ての神経を注がせた。 船内に敵は・・・見える場所で5人。 青兵4人、赤兵1人。 かえでっちはその奥のドアの向こう側かもしれない。 ボクは単独行動で船内に浸入、そして敵を次々と撃っていった。 「単独行動は・・・協調を乱す元となる・・・」 頭上から、降ってきたのはあん王女。 「行こう」 ボクはあん王女に言った。 そして奥の部屋に向かう。 ドアを開けると、そこには手錠をかけられた・・・って、 ローテクだ!! 今までのはこのギャグのための前振りだったのか!? かえでっちはボクたちに気付いて目を向けた。 「こっちこないで!!」 かえでっちは叫んだ。 ボクは行こうとした。 助けに来たんだ・・・ いきなり体が後方に飛んだ。 背中から床に落ちる。 「・・・いきなり飛び込むのは・・・危険」 「おー、ありがと・・・う?」 ボクは思いっきり引っ張って叩き落しながらも 命を助けてくれたあん王女に感謝した。 と、あん王女が予想していたであろうその通りに、 敵兵がずらりと出現した。 どっから沸いた・・・? その中でも重武装を施した・・・青白い顔の・・・男・・・オスが? かえでっちに近づいていた。 「ふっふっふ・・・」 その男はかえでっちの腕を掴んでいた。 「ショットガンって、効くのかな・・・?」 「え・・・!?」 と、その瞬間、重武装の男が吹っ飛ばされ、何人かの兵士がその巻き添えを食った。 何が起こった!? ボクには見えなかった・・・ 「・・・私の銃を渡した。」 見ると、確かにあん王女はビーム銃を持っていない。 と、そこでボクはビーム銃の矛盾に気付いた。 ビーム銃の側面には、点灯しているボタンが一つ、 点灯していないボタンが三つついていて、 その4つの下に名前が書いてあり、 それぞれ、「ハンドガン」「マシンガン」「ショットガン」「グレネードガン」がある。 ビーム銃なのになんなのだこれは、 全て地球にもある兵器ではないのか? ビーム銃なのに肝心のビームガンがないし。 きっとこの4つのボタンで種類を切り替える、 そんなハイテク銃だからこそ、ビーム銃と名付けられたのだろう。 かえでっちはこっちに来た。 ボクはハンドガンを使用して、手錠を外してあげた。 かえでっちはビーム銃をあん王女に返却した。 「助かりましたぁ♪」 かえでっちは2年であん王女は1年、ん? 普通にタメ語でいいって約束もあったのに・・・ ボクも人のこと言えないけどな。 「あ・・・いててて」 重武装の男が立ち上がった。 「よっくもこのデルアンデル様をふっ飛ばしてくれたな? お嬢さんよー・・・」 ボクはかえでっちを後ろに、かばうようにした。 あん王女も同じく。 「ボクたちが相手だ。デルアンデルサマ。」 ボクは大声で叫んだ。 「ん?なんか発音おかしくないか? 俺はデルアンデル様だぞ?様は敬称だぞ?」 「ふん、そんなのわかってる」 本当は分かってなかったけどな。 サマまで名前だと思ってた。 悪かった、デルアンデル。と心の中で呟いてみても仕方ない。 「・・・ここで勝負と行こうか!?」 デルアンデルは物陰に飛び込み、隠れた。 ボス戦というわけだな。 青兵赤兵黄兵がわんさかつっこんでくる。 この宇宙船、そんなに大きかったか・・・? ボクとあん王女は、敵を倒し、撃破していった。 かえでっちはボクが潜入してきたコックピットに向かった。 ボクはビーム銃のマシンガンのボタンを押した。 「マシィーンガァン」 と、どこからともなく声が聞こえた。 連撃で端から端まで、敵を倒して行った。 そして、デルアンデルがボク目掛けて武装していた手投げ斧を投げ飛ばしてきた。 ボクはすかさず物陰に隠れた。 なんとかやりすごし、そして物陰から出て、デルアンデルを狙撃。 マシンガンが連続でヒット。 「無駄ァ!!無駄ァ!!ハッハッハ!!」 「効かない!?」 デルアンデルはバズーカ砲のようなものを取り出した。 あんな武器使われたら、隠れる物も吹っ飛んでしまう。 なんとかしなければ・・・と考えた時、 デルアンデルが爆発した。 「ぐぁーっ!?」 「・・・グレネードガンは・・・有効・・・」 あん王女は淡々と言ってるが、そんな簡単なものでもないぞ。 グレネードガンは初期装備たったの2発だからな・・・ って、ボクは何を考えてるんだ? 「く・・・貴様ら・・・何者・・・だ!?」 宇宙船の貨物室ごと爆発、デルアンデルは外に投げ出された。 「へーじょー、あん王女ー、崖、崖だよー、 どうするのー?」 かえでっちがコックピットから言った。 「・・・あ」 落下。 「落ちたな、死んだか?」 「確認だけでも・・・ウワッ!!」 「ううぅーッ!!」 二発分の銃声が鳴り響いた。 崖の下に落下したターゲット、つまりボクらの死を確認しにきた兵が 奈落の底へ落下していく。 さて、これからどうするか。 ボクは両手で崖のつかめるところに、必死こいてつかんでいる。 そしてあん王女はというと、片手で崖をつかみ、 もう片方の腕にかえでっちの腰を抱えている。 ・・・どんな腕力してるんだ!? 蜜柑にはそんな腕力をも作る栄養が含まれていたのか。 ぜひ、ダンボール一箱分食べてみたい物だ。 と、そんなことを考えている場合ではなかった。 ボクは必死で無線機を取り出し、そして他の仲間に連絡を取った。 『こちらシホデリバリー、欲しい物は?』 「とりあえずロープとチーズバーガー、 あん王女、楓さん、どうしますか?」 「・・・蜜柑」 「えっと、えっと、マフィン」 絶対この二人冗談分かってない。 きっとわかってない。 いーや、断じて分かってない。 本気で注文すんなや、期待すんなや。 『わかったわ、今すぐ行く。 場所はわかってるからね。 任せなさ〜い、いえすげっつろーぅ♪』 無線からその声が遠ざかっていくのが聞こえた。 と思ったら近づいてきた。 無線からの音じゃない。 頭上からだ。 「みんな、生きてるー?」 「このとおり、ぴんぴんしてる」 ボクはあん王女の方に視線を向けて言った。 戻る