第4話「アレックス・クローダルとエレノア・セーゴ」
「今現在、世界各地で起きている犯罪に目を
向けられないのですか!総帥!」
背の高いスラッとした体系の女が
長机をバンと叩いて立ち上がるなり、
意見を出した。
「落ち着きたまえ、エレノア大佐」
総帥と呼ばれた老人が暢気に答える。
「我々が今直面している事実、
それは汚染された世界の復興ですよね」
「そうだ」
「それは表面的な意味でも、
抽象的な意味でも実行すべきなんです!」
「と、いいますと?」
「表面的な意味では・・・
環境省の人をお呼びしてるんで
あとで聞いてください。」
「なんだそりゃ・・・」
「抽象的な意味では、
この世界に存在する腐りきった犯罪者どもを
撲滅することではないでしょうか?!」
あたりが静まり返る。
そして頷く者も出てくる。
周りがスーツなのに
目立とうとしているのか、
アロハシャツを着て、
大き目のサングラスをかけている
男が立ち上がった。
「なんだね?アレックス?」
総帥がいやなかおをして言った。
「エレノアさんの言うとおりだぜ。
『世界を創る者』たちが安心できるように
さっさと世界の掃除とやらを済まそうじゃないか。」
「だがな、最近の犯罪者ときたら、
武装力も半端なものではない。
今まで、真向から立ち向かった軍は全滅した。」
「武装力・・・ねぇ、」
アレックスは総帥の座っている椅子の後ろに来た。
「総帥、あんたは見たことがあるんだろ?
その犯罪者の力を・・・」
総帥はその言葉に反応した。
「やつらは武装なんかしていなかった・・・
だろ?総帥。」
総帥は黙り込んでいる。
「アレックス少佐、やめなさい」
エレノアが言った。
アレックスはその言葉を無視して
両手の平を総帥に向けた。
「俺もそのやつらと同じ・・・
武装しない理由はこれだ。」
総帥はその手の平を見つめていた。
鉄に熱を加えたら赤くなるように
手の平は赤くなっていった。
「なんのつもりだ」
総帥は冷や汗をかきながらも
冷静な態度で居座っていた。
「フォーヘイドハイム!」
アレックスはそう唱えると同時に
総帥の椅子を引き裂くように
掌で殴った。
総帥は驚きのあまり動くことができなかった。
椅子の上半分がドロドロに溶けていた。
警備兵がアレックスに近づいてきた。
「待て」
総帥が言うなり警備兵はそれにしたがった。
「アレックス・・・どういう意味だ?」
「目には目を、超能力者には超能力者を、だよ。
すでに俺の知り合いが兵をスカウトしにいってる。」
「やつらと闘う気か・・・」
「これからの情勢にもよります。」
アレックスはそう言うと、
会議室のドアに手をかけた。
「待ちなさい!」
アレックスが出て行こうとしていることを察した
エレノアが言った。
「ん?なんだ」
「どこへいくのですか」
「もうつまんねぇから帰る。」
「はぁ?」
「あと腹が減ったから」
「ちょっと・・・
そんな理由で会議中に・・・」
総帥が立ち上がった。
「今現在の状況の打開策をアレックス少佐に
任せてみるというのもいいでしょうね。
それでは意見がなければ、今日の会議はお開きにします」
誰も意義を申し立てないどころか、
アレックスに好評するものばかりだった。
「それでは今日の会議は解散です。」
議場院の庭にある噴水の前で、
アレックスとエレノアが話していた。
「どうしてあんなことしたの?」
「口で説明するより、
実際にやってみたらいいと思ってね」
「何言ってるの!
総帥が死んじゃったらどうすんの!」
「死ななかったじゃん」
「そうじゃなくて・・・
もういいや・・・
そういえば、あんたが言ってた知り合いって誰?」
「ジョン・スポール」
「ああ、影の人・・・」
「よく知っているじゃないか」
しばらくそのことについて話していた。
「総帥が死んだらなんて気になんなかったさ。
エレノア、君がいたからね」
「知ってたの?私の能力を・・・」
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