第9話 「空港脱出@」 「どうして俺たちは中から?」 和藤がシェリーに聞いた。 ふと浮いた疑問、 6人全員で行って戦えば問題ないと 思ったが、なぜ二手に別れたのか知りたかった。 早歩きでシェリーにつていきながら 会話をした。 「中なら敵も襲ってこないのよ。」 「え?そうなんですか?」 「いくら敵といえど、 空港という国際的な場所で大暴れするわけにはいかないもの。 だって、世界中を敵に回すことになるでしょう?」 「でも、なんで俺たちが中でクソが外なんだ?」 「クソって誰?もしかしてノーウェン?」 シェリーが苦笑した。 「そう、ノーウェンって名前だったか。 忘れてた。」 和藤の一言に山南は「確信犯」とか呟いたような呟かなかったような。 「ノーウェンにミハエルくんとフィスナさんを任したのは、 ミハエルくんはまだ10歳だから訓練を受けずに戦闘に出させられない、」 「あの渋い顔で10歳かよ・・・」 「フィスナさんは女の子だし、訓練を受けてないから。」 シェリーはそれを言い終わると、 歩く足を止めた。 目の前には非常口があった。 そして非常口の扉を開いて外に出た。 「要するに、弱いってことでしょ? なら尚更、6人全員で行動したほうがいいんじゃないか?」 「ショーン、わかってないなぁ、 スパイってのはそういうものなの」 答えようとしたシェリーを遮ったのは山南。 「スパイ?なのか?」 「違うけどただ言ってみたかっただけ。」 非常階段を駆け下りる。 シェリーが先頭でその後ろに和藤、そして山南と並んでいた。 階段を駆け下りてくるとき、 3台の車が空港の裏側にとまっているのが見えた。 「あれか?」 「あれだといいんだけど・・・」 階段の最後の一段を飛ばし、 飛び降りる和藤。 その勢いでシェリーの背中にぶつかった。 「あ、ごめん、」 「大丈夫よ。」 シェリーはそう言って車の方に向かっていった。 「二人はそこで待ってて」 シェリーはそういい残して走っていった。 そのころ、ノーウェンたちは空港の外壁に沿って走っていた。 「つかれたー 休もうぜ、おっさん」 ミハエルが弱弱しく言った。 「誰がおっさんだ!!」 「そうね、ちょっと休ませて」 「そのそうねって俺がおっさんってことか? なぁ!!フィスナさん!!」 「そんなこと言ってないよー」 「ちょっと二人とも落ち着いて」 なにやら言い争いを始めたノーウェンとフィスナの間を ミハエルが仲介した。 「いいか?今ここで、休んでるわけにはいかないんだ!! そうだろ?ノーウェンさん」 「休もうって言ったのおまえだろ!!」 「休もうって言ったのあなたでしょ!!」 ミハエルのたわ言にノーウェンとフィスナは 同時につっこむ。 「あれ?そうだっけ?」 と言ったと同時に、3人の目の前に 1台の黒い車が急ブレーキで止まった。 「早く乗って!!」 中からは聞き覚えのある声がした。 それはシェリーだった。 しかし後ろにも助手席にも誰も乗っていない。 「おい、二人はどうした?」 ノーウェンが疑うように聞き返す。 「途中で逸れたの。 いいから、乗って!!」 ミハエルは言われるがままに 車の扉を開けて乗り込んだ。 「待て、ミハエル!! 乗っちゃだめだ!!」 「え?」 時すでに遅く、 車はミハエルだけを乗せて 走っていった。 「しまった!!」 「ミハエルくん・・・」 フィスナはぽかーんとしてつったっている。 ノーウェンは携帯電話を取り出し、 どこかにかけはじめた。 「シェリーさん!!止まって!!」 「わかったよ!!」 車はおもいっきりドリフトして止まった。 「いってぇ・・・」 運転席のシェリーは銃を取り出し、 ミハエルの額に向けた。 「死にな!!」 「うわっ!!」 銃声と共に、ミハエルは首をがっくり垂れた。 「ん?おかしいな、血が出ない・・・」 「・・・いってぇぇ!!おでこの角にあてやがったなぁ!! チャームポイントなんだぞ!!」 ミハエルは額を半泣きで撫でていた。 「ちぃっ!!」 シェリー(?)は銃口をミハエルの胴体に向けた。 が、ミハエルは車の扉をひらき、 外に飛び出ていた。 ミハエルはなるべく車から離れるように、 ノーウェン達の方へ走っていった。 「いたいよぉー・・・おでこ痛いー」 泣きながら。 「待て!!」 車の中から聞こえたのは男の声。 ミハエルはシェリーさん実はオカマ?と思いながら 泣き顔のまま振り返った。 「あれ?ノーウェン?」 「こっちに来るんだ!!ミハエル!!」 「うん」 ミハエルは微笑を浮かべるノーウェンの元へ走っていく。 5メートル程の距離に来たとき、 ノーウェンは銃を構えた。 が、そこにはミハエルはいなくなっていて、 自分のすぐ目の前まで来ていた。 「なにっ!!」 「偽者がぁ!!」 ミハエルはノーウェンの顔面にパンチを食らわせていた。 ノーウェンは倒れると、顔を変えたように見えた。 というより、実際に顔が変わっていた。 「いたた・・・よっくもやってくれたわね・・・」 「・・・本体は女だったのか・・・?」 ミハエルは女の前に立ち、 水を手に纏い、銃を形成した。 「変身女!!どうする!!」 「だぁー、ちょっと、タンマ、 私、降ー参、参った。」 「え?」 「えーっと、溶解・液化・粉末?だっけ? 変な合言葉使いすぎ!!ったく、ノーウェンったらねぇ、 ボウヤもそう思わない?」 「残念、溶解・粉末・液化、でしたぁ」 ミハエルはゲラゲラ笑いながら水の銃のトリガーを引こうとした。 「わーっ、そうだった!!」 トリガーを引いた。 水の銃弾がその女を狙っていったが、 女は銃弾をよけた。 「待って!!撃たないで!!」 「あんたは俺を殺そうとした。 たとえ合言葉を言ったとしても味方じゃないね。」 「殺そうとなんかしてないって!! 信じてよ!! ほら、これモデルガン!!BB弾の奴!!」 「え?」 「ね、わかったでしょ?」 「近頃の若者が改造したモデルガンには殺傷能力が充分に」 「ないから!!これにはないから!!」 ミハエルが女を倒そうとしたとき、 「おーい、ミハエルーそいつは敵じゃないー だったらいいかもねーってノーウェンさんが」 フィスナがそういいながら走ってきた。 ミハエルのところまで走ってきたフィスナ。 「えーっと、蝋燭・硫酸・松葉!!さぁ、答えて!!」 フィスナは女のほうに人差し指を向けて言った。 「お前も敵かぁー!!」 「え?」 「合言葉違うから!!」 「間違ってた?」 フィスナはミハエルに言われて途惑った。 「何言ってんだよミハエル・・・」 ノーウェンが歩いて近づいてきた。 「そいつは敵じゃない。味方だ」 倒れていた女を引き起こすと、 車に乗り込んだノーウェン。 「ん?乗れよ」 ノーウェンが言った。 「だって、さっき乗るなって・・・」 ミハエルが答えた。 「電話で問い合わせたらその人仲間だって。」 「はい?」 もどる