ストライプマン chapter 5 end of fatal story "stripeman" 〜終焉〜

「どういうことだ!? オマエは死んだはずだ・・・アルムスカイト!!」 ヴィシュが立ち上がってパープルトマトに言った。 オービスもそのパープルトマトに驚いていた。 一体誰が中に!? 「・・・」 パープルトマトは、ヴィシュを睨んだ。 紫色の竜の目で。 「うぉぉお!!」 オービスは、足のジェットを使って、パープルトマトに突撃した。 大振りのパンチを繰り出すが、パープルトマトは、それを簡単に避けてしまう。 すかさず、オービスは、足を上げて蹴りを入れた。 パープルトマトは、それをガードし、オービスから離れた。 「待て、俺は敵ではない!!俺の目的は、ヴィシュトルフスキーただ一人だ!!」 パープルトマトが言った。 オービスは、それを信じるはずも無く。 「おまえが・・・? おまえが誰だか分からないが、ヴィシュトルフスキーの仲間のパープルトマトの装着者であることは・・・」 「違う!!」 パープルトマトは、強く否定した。 「危ない!!」 パープルトマトが言って、オービスは、その場からサイドステップした。 背後からヴィシュが攻撃してきていた。 「こいつは・・・どういうわけだか分からんが・・・ 三つ巴の戦いという奴かね・・・」 ヴィシュが言った。 「早々に撤退させてもらうよ!!」 ヴィシュが逃げた。 「逃がすかっ!!」 パープルトマトは、パープルボムを投げつけた。 しかし、それは、ヴィシュに当たることなく、どこかに飛んでいった。 「どこを狙っている?俺はここだ。」 「ハナっからおまえに当てる気はないさ。」 パープルボムは、工場の入り口につながる部屋の扉にぶつかって、爆発した。 轟音を立てて、柱や、金属板などが倒れる。 扉は、塞がれた。 「逃げ道を潰した。」 パープルトマトは、ヴィシュに近づいていく。 「ここで終わりだ」 「終わり、だと・・・?終わるのは、おまえだぁ!!」 ヴィシュが、パープルトマトに殴りかかっていった。 が、ヴィシュのラッシュ攻撃は、パープルトマトには避けきれる範囲。 「・・・」 オービスは、ヴィシュに殴りかかっていった。 「パープルトマト、おまえが誰なのか分からないが、 今は・・・敵じゃないな。」 言って、ヴィシュに打撃を与えた。 「ぐふぉ!!」 ヴィシュは、後ろに引き下がったが、尚も攻撃をやめようとしない。 パープルトマトは、パープルボムを投げつけた。 「ストライプマン、下がって!!」 ヴィシュに当たって炸裂、ヴィシュは吹き飛んだ。 「・・・」 ヴィシュは、その場に倒れた。 「どうやらケリがついたようだな」 パープルトマトは言って、歩き出す。 ヴィシュの体を見て、トドメを刺そうとしていた。 その時。 ヴィシュは、瞑っていた目を開いた。 そして、パープルトマトの腕を掴んで、その体を蹴り上げた。 パープルトマトは、地面にねじ伏せられる感じで、ヴィシュに叩かれた。 「ぐっ・・・」 「・・・」 四つん這いの状態から、パープルボムを投げようと構えたが、パープルトマトは、その場で止まった。 「ふふふ・・・ハハハハ・・・」 ヴィシュが笑っている。 「油断は、最も危険な過ち。」 オービスは、四つん這いのままのパープルトマトを見て、ヴィシュに向かって構えた。 「おまえ・・・何をした・・・?」 「これが俺の能力・・・」 「能力・・・?」 「おまえに時間歪曲が使えるように、俺にも似たような能力が備わっている。」 工場の、上階の大窓から、夕日の光が差してきた。 日が沈む前だった。 パープルトマトは、動かない体を必死に動かそうとしていた。 ダメージが大きかったとか、疲労の所為で動けないのではない。 動こうと思えば動けるのに、何かに縛られた状態。 金縛りにあったような感じだった。 喋ることもできなかった。 「夕焼けの時間か。 真っ赤だねぇ・・・おまえの血液も・・・」 ヴィシュが言いかけたとき、オービスは、すでにその顔面を殴っていた。 「速っ―――」 「お前の能力がなんなのかわからないが、 使う隙を与えん。」 吹き飛んだヴィシュに手を向けて、オービスは叫んだ。 「クリムゾンサンセット!!」 ヴィシュは、空中に止まったように、ゆっくりと後ろに飛んでいく。 オービスは、ヴィシュの横を走りぬけ、ヴィシュの背後から膝蹴りを入れた。 くの字に曲がったヴィシュの体に、今度はジャンプして、手刀を出した。 ヴィシュは、地面に叩きつけられて、それから時間が元に戻った。 「・・・うぐっ・・・ まだまだまだまだ・・・」 ヴィシュは、立ち上がって、構えた。 「ヴィシュトルフスキー!!」 大声が響き、ヴィシュに向かっていくつものパープルボムが飛んできた。 パープルトマトは、ヴィシュの能力が解けて動けるようになっていた。 「まだ気付かないのか。 俺の能力は・・・全てに有効だ」 ヴィシュは、飛んできたパープルボムに向かって両手を広げた。 パープルボムは、ヴィシュに当たったが、爆発しなかった。 そのまま重力に従って落下するだけだった。 転がったパープルボムは、その機能を失っていた。 それを見て、驚いていたオービスと、パープルトマト。 「次こそ終わりだ!!」 ヴィシュが、オービスに殴りかかってきた。 呆気に取られていたオービスは、その攻撃に気付くのが遅すぎた。 避けようとしても、次の攻撃までは避けきれないだろう。 「ストライプマン!!」 パープルトマトが前に出て、ヴィシュを止めた。 そして、オービスにパープルボムを渡した。 「一旦、下がれ!!」 パープルトマトは言った。 「ちっ・・・」 不覚を取られて、それに、敵だと思っていた者に助けられた。 だが、オービスは言うとおりに、下がった。 「たぁーっ!!」 ヴィシュは、パープルトマトの腕をつかんで、投げ飛ばした。 パープルトマトはすぐに、背中についているジェットで、体勢を立て直し、ついで、一気にヴィシュに向かって飛んでいった。 ヴィシュは、空中に飛び上がり、回転した。 「俺の能力・・・モーションダウンは、最強だということ、 その命を持って知れ!!」 回転の勢いで、向かってきたパープルトマトに、蹴り入れた。 顔面から肩にかけて、カウンターを喰らったパープルトマトは、 その速度のまま吹き飛び、壁に叩きつけられた。 さっきと同じだ・・・動けない・・・。 パープルトマトは、思いながら、ヴィシュを見ていた。 オービスは、パープルトマトがやられたのを見て、ヴィシュへ接近した。 「おまえ、相手に打撃を当てると、その機能を停止させる・・・ そういう能力か・・・。」 「!?」 「だが、それも数秒間だけらしいな。」 「・・・分かったのか・・・」 オービスは、両手に持ったパープルボムを、腰の小物入れに入れた。 「まずは、お前の動きを止めて、パープルボムの停止が出来なくなったところで・・・ おまえを吹き飛ばす。」 オービスは、言って、走り出した。 「マジックストライプ!!」 地面に、手をつけて、叫ぶと、ヴィシュの周りの地面が浮き出てきた。 「こんなことで、何をしようと・・・」 ヴィシュは、石壁に阻まれていたが、それをすぐに破壊した。 そのとき、目の前にはすでにオービスがいた。 ヴィシュが殴られて、石壁に捕らえられた。 が、捕まったのは、左腕だけ。 右腕を使って、オービスに攻撃した。 オービスは、それを肩で受けた。 「何故・・・避けない・・・?」 オービスは、肩から徐々に、動けなくなっていった。 が、最後に、腰の所から、パープルボムを取り出して、ヴィシュに向けた。 「気付いたんだ・・・ おまえの能力・・・モーションダウンは、打撃を与えている間は、 それ以外のものに、能力をかけられないということ・・・」 「何!?」 ヴィシュが、焦りだした。 「ならば単に、おまえへの攻撃をやめれば・・・っ!?」 ヴィシュが攻撃を繰り出した右腕にも、石がへばりついていて、動けなくなっていた。 「オマエ!!狂ったか、オマエも死ぬかもしれんのだぞ!!」 「・・・」 オービスは、すでに機能を停止させられ、喋ることができなかった。 ただ、ヴィシュを見て、笑っていた。 パープルトマトは、動き出した。 なんとかして、あのストライプマンを助け出さなければと。 しかし、それは遅かった。 最後に、オービスは、モーションダウンで機能停止させられながらも、喋ることができた。 「ヴィシュトルフスキー・・・おまえの負けだ。」 「何ィッ!?」 パープルトマトの使用武器、パープルボムは、衝撃を与えることで爆発する手榴弾のようなもの。 しかし、衝撃が無かった場合は、時限爆弾のように、一定時間がたつと爆発する仕組みだった。 そして、それが今、爆発した。 「ぐわぁぁぁあ!!」 パープルトマトは、工場の外に吹き飛ばされた。 ストライプマンとヴィシュトルフスキーの生死がわからない。 パープルトマトは、傷だらけになりながらも、もう一度工場に入ろうとした。 が。 工場は、二度目の爆発を起して崩れた。 「ストライプマン!!」 パープルトマトは、叫んでいた。 結局、パープルトマトには、ストライプマンとヴィシュトルフスキーの安否は分からず終いだった。 シェリー・ミルトスは、兄の死を知ってから、数日後、兄が訪れていた洞窟に入っていた。 「ブザーの音が鳴っているぞ。」 ヴィシュトルフスキーが言った。 シェリーは、天井の上にあるだろう道路をみるように、洞窟の上を見た。 「出動・・・ですか?」 「そうだな。 君の兄も戦った敵、パープルトマトだそうだ。」 シェリーは、ストライプマンの装備を着けた。 「ストライプガール・・・初出動になるのかね。」 「そうですね。 兄は、こういう時、どんなことを考えていたのでしょう?」 「それは俺にも分からんさ。 聞く前に死んでしまったからね。」 シェリーは、ヴィシュトルフスキーの横を通って、地上に出るエレベーターに乗った。 「ストライプガール、出動だ。」 そして、兄に代わっての、シェリーの戦いが、始まった。 The end 戻る